しんと静まり返った深夜、家の裏手から聞こえてくる規則的なポタポタという音に、私はふと目が覚めました。最初は雨が降り始めたのかと思いましたが、窓の外は満天の星空です。嫌な予感がして懐中電灯を片手に外へ出ると、案の定、給湯器の下に小さな水溜まりができていました。本体の底から、一定の間隔で水が滴り落ちていたのです。その瞬間、私の頭をよぎったのは、修理代への不安と「明日からお湯が使えなくなったらどうしよう」という焦りでした。翌朝、すぐにメーカーの修理窓口に電話をかけましたが、オペレーターの方からは「設置から何年経過していますか」と冷静に問い返されました。我が家の給湯器は設置からちょうど十二年。一般的に給湯器の寿命は十年と言われており、我が家のものはすでにその期間を超えていました。数時間後にやってきた作業員の方は、手際よくカバーを外して中を確認し、ため息混じりに「熱交換器からの漏水ですね」と告げました。漏れた水はすでに周囲の部品を腐食させ、制御基板のすぐ近くまで浸入していたそうです。修理も不可能ではありませんが、古い型なので部品の調達に時間がかかること、そして他の箇所も寿命を迎えているため、直してもすぐに別の場所が壊れる可能性が高いという現実的な説明を受けました。結局、私はその場で見積もりをもらい、本体を丸ごと交換する決断を下しました。交換までの数日間、いつ完全に壊れるか分からない給湯器を使いながら、お風呂に入るたびに冷や冷やしたものです。幸いにも完全停止する前に新しい給湯器が設置されましたが、新しい機械は驚くほど静かで、お湯の温度も安定していました。あの時、ポタポタという音に気づかずに放置していたら、真冬に突然水しか出なくなるという悲劇に見舞われていたことでしょう。住宅設備は形あるものであり、いつかは壊れる。その当たり前の事実を、あの深夜のポタポタ音は身をもって教えてくれました。今では定期的に給湯器の周りをチェックすることが私の日課となり、静かな夜を安心して過ごせることの有り難さを噛み締めています。
深夜に響くポタポタという水漏れ音から始まった給湯器の交換記