マンションのトイレリフォームは、単なる設備の更新に留まらず、住まい全体のインテリアの質を高める絶好の機会です。空間が限られているからこそ、細部にこだわることで劇的な変化を生むことができます。最近のトレンドとして注目されているのが、ホテルライクな高級感を演出するデザインです。例えば、あえてタンクレス型を採用し、余ったスペースに小さなカウンターと手洗いボウルを設置する事例が増えています。カウンターの下に間接照明を仕込むことで、夜間の利用時に目に優しく、かつ奥行きのある空間を演出できます。壁紙の選び方も重要です。全面を同じ色にするのではなく、便器の後ろ側の一面だけを濃い色や大胆な柄のアクセントクロスにすることで、視線が奥に引き込まれ、狭いトイレを広く見せる視覚的効果が期待できます。また、床材には耐水性の高いクッションフロアだけでなく、最近では本物の石のような質感を持つ大理石調のフロアタイルを採用するケースも人気です。掃除がしやすく、かつ清潔感と高級感を両立させることができます。収納についても、ただ棚を作るのではなく、壁に埋め込むスタイルの収納ボックスを活用することで、床面積を削ることなく機能性を高めることが可能です。扉を鏡張りにすれば、空間をさらに広く見せることもできます。また、マンションでは窓がないトイレも多いですが、その場合は照明器具にこだわるのが成功のポイントです。一般的なシーリングライトではなく、ペンダントライトやダウンライトを組み合わせることで、光の陰影が生まれ、ドラマチックな空間に変わります。さらに、タオル掛けや紙巻器といったアクセサリー類を、標準的なシルバーから真鍮製やマットブラックのものに変更するだけで、全体の印象がぐっと引き締まります。小さなパーツですが、こうしたこだわりが空間全体の完成度を大きく左右します。ある事例では、築四十年のマンションで、あえてヴィンテージ風の木目調の壁紙とレトロな電球色の照明を組み合わせ、落ち着いた書斎のような雰囲気のトイレを実現しました。このように、マンションという制約のある器の中でも、アイデア次第で自分だけのこだわりが詰まった空間を創り出すことができます。リフォームは現状の不満を解消するだけでなく、新しいライフスタイルを提案してくれるものです。毎日何度も使う場所だからこそ、扉を開けるたびに少し嬉しくなるような、そんな空間作りを目指してみてはいかがでしょうか。
マンションのトイレリフォームで叶えるおしゃれな空間設計の事例