トイレの便座交換をDIYで行うことには、いくつかの明確なメリットがあります。最も大きなメリットは、やはり費用を大幅に節約できる点でしょう。業者に依頼すると、本体代に加えて工賃や出張費が発生するため、総額で数万円かかることも珍しくありません。しかし、DIYであれば便座本体の購入費用だけで済むため、数千円から1万円程度で交換が可能です。また、自分の好きなタイミングで作業ができる自由度も魅力です。 しかし、DIYで便座交換を行う際には、いくつかの注意点も存在します。まず、新しい便座のサイズ選びです。便器には様々なメーカーや型番があり、それぞれ取り付け穴の位置や便器の形状が異なります。購入前に必ずご自宅の便器のサイズを正確に測り、それに合った便座を選ぶことが最も重要です。サイズが合わないと、取り付けができないだけでなく、グラつきや不便さの原因となります。不安な場合は、既存の便座のメーカー名や型番を控えておくと良いでしょう。 次に、作業中の水漏れや破損リスクです。通常の便座交換であれば水回りの配管に触れることは少ないですが、ウォシュレット機能付きの便座を交換する場合、給水ホースの接続や止水栓の操作が必要になることがあります。この際、しっかりと止水栓を閉めなかったり、接続が不十分であったりすると、水漏れを引き起こす可能性があります。また、ボルトの締め付けすぎや、無理な力での作業は、便器や新しい便座を破損させる原因にもなりかねません。 さらに、ウォシュレット機能付き便座の交換は、電気工事の知識が必要となる場合があります。コンセントの抜き差しは簡単ですが、万が一、配線に問題があったり、アース工事が必要な場合は、専門的な知識がないと危険を伴います。少しでも不安を感じる場合は、無理にDIYを進めず、専門業者に相談することをお勧めします。DIYは費用を抑える良い手段ですが、安全面や確実性を最優先に考えることが大切です。